なんと言うことはないが、
ネット初心者の女性キャラがやりそうな、
「咎めにくい失態」が集約されていると言える。

まず変換ミスだが、
よりによって話し相手のＨＮを間違えたということで、
自分だけでなく複数人を巻き込み、
より興ざめな雰囲気が漂わせることに成功している。

そして突然の３行もの空白。
ここは原因を詮索するより、
『「このクワガタ、何を考えてるんだろうなあ…」
　というような感覚を抱かせる投稿に仕上がっている』、
ということを楽しむ方がいいだろう。

次にまたＨＮの演出だが、
こちらは若干ネチケットの問題が絡む。
どんどこホークスには「うーさん」というニックネームがあるにも関わらず、
掲示板ではわざわざ全く違うＨＮを用いている。
普通なら、少しでも配慮しようと考えるところだが、
城島孝子はそんな「平均でさえ持つ苦悩」をよそに、
何のためらいもなく書いている。
普段から推敲に推敲を重ね投稿している人間が、
精神的且つ社会的ダメージを受ける瞬間が目に見えるようで、
二次的効果も抜群と言ったところであろう。

そして投稿するものはなんでも「メール」だと思いこむところ、
統一感のない改行、と続き、
最後に極めつけの一人ツッコミ。
面白いつもりで書いたのが、
結局自分でも何が面白かったのか解らなくなってしまうという、
子供の急成長の時期に冒しがちな、
恥ずかしい矛盾が見事に演出されている。

さらにこれらをもう一度振り返って見てみると、
今まで大きな問題にもぶち当たらずに生きてきた
２０代前後の女性の像が浮かび上がり、
得も言われぬ、それでいてつかみ所のない、
深い味わいが堪能できるというものだ（笑）。